かかりつけ医のための家庭医療学・14
家庭医療のための臨床的推論(Clinical Reasoning)
伴 信太郎
1
1名古屋大学医学部附属病院総合診療部
pp.163-166
発行日 2002年2月15日
Published Date 2002/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903467
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ポイント
1)臨床的推論とは,臨床上の疑問を整理する思考過程をいい,仮説の設定,仮説の修正,仮説の検証の3段階に分けると理解しやすい.
2)仮説の設定とは,いくつかの病態を考えるプロセスで,推論法による分類と,情報源による分類に大別できる.
3)ヒューリスティックとは,知識を学習したり,思い出したり,理解したりするのに使われる認知のプロセスで,経験を積むことによって身につくが,注意すべき陥穽がある.
4)仮説の修正は,診断情報の特性に基づいた確率論的アプローチと,病態生理的アプローチによって行われる.
5)仮説の検証は,すべての所見が一元的に説明可能か,病態生理的に矛盾はないかという2つのアプローチによって行われる.
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