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救急医療崩壊とゼネラリスト養成
1.病院内外のゼネラリスト
本稿では,図1に示すような4つの医師団を「病院内外のゼネラリスト」と呼ぶことにする.
1)救命型救急医とER型救急医
本稿では,図1に示すように,三次救急の初期診療から入院治療(Critical care)に軸足をおく救急医を「救命型救急医」と呼び,一次救急から三次救急まで,すべての救急患者の初期診療(Emergency care)に軸足をおく救急医を「ER型救急医」と呼ぶことにする.
「風邪の子どもたちから交通事故の心肺停止まで」受診する「ER型救急」では,施設によって差はあるが,ER受診患者の約10~20%が緊急入院となり,残りの80~90%はERから帰っていく.三次救急患者主体の「救命型救急」では,ほとんどの患者はそのまま入院となりICUで集中治療を受けることになるが,「ER型救急」のERでは入院させるべきか,帰してもよいかという判断を要求される.筆者はこの両者とも救急医と考えている.今後,わが国で救急医を目指す医師は,初期には両者の研修をしながらも,いずれはどちらかに軸足を置くような形で発展的に分業してゆくのが理想的と考えている1,2).
2)「総合内科医」と「家庭医」
本稿では,図1に示すように,総合診療医のうち内科全般にわたる継続的な外来診療と入院加療を行う病院ベースの医師を「総合内科医」と呼び,内科だけでなく小児,外傷なども受け入れ,継続的な外来診療に軸足を置き,入院治療が必要な場合に専門医に転送する地域,外来ベースの医師を「家庭医」と呼ぶことにする.筆者はこの両者を総合診療医と考えている.今後,わが国で総合診療医を目指す医師は,初期には両者の研修をしながらも,いずれはどちらかに軸足を置くようなかたちで発展的に分業してゆくのが理想的と考えている1,2).
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