外来で見逃された症例―あなたの診断は?・36
激しい腹痛を伴う難治性膀胱炎
滝沢 美代子
1
,
生坂 政臣
1
,
宮野 佐哲
2
1聖マリアンナ医科大学総合診療内科
2聖マリアンナ医科大学泌尿器科
pp.781,868
発行日 2001年9月15日
Published Date 2001/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903329
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症例:40歳,女性.1週間前より肉眼的血尿を認め,3日前に残尿感と頻尿を伴う排尿時痛および腹痛が出現.当院泌尿器科を受診したところ,膀胱炎と診断されクラビット®を投与されたが,さらに症状の悪化をきたしたため当科を受診.既往歴にアレルギー性鼻炎があり,1カ月前からリザベン®(トラニラスト)を服薬している.身体診察では,脈拍72/分・整,体温35.9℃,苦悶様の表情を浮かべ身をよじって痛みをこらえている.下腹部に圧痛を認めるほかは,外陰部を含めて身体所見は正常範囲である.尿検査では尿潜血(3+),尿蛋白(4+),亜硝酸塩(-),尿沈査では赤血球,白血球を多数認めるが,細菌はみられない.腹部超音波検査では,膀胱の壁肥厚を認めたが(図1),水腎症,結石は明らかでない.
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