特集 めざせ新世紀―20世紀のエビデンスはどうなる
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大沢 功
,
岡部 輝雄
,
伊藤 伸介
,
伊藤 公一
pp.46
発行日 2001年1月15日
Published Date 2001/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903166
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Q1 費用効果分析の目的は何でしょうか
A 医療資源は有限であるため,選択肢がいくつか存在する場合には,優先順位をつける必要がある.その際に,費用効果分析によって効率性の面から優先順位をつけることが可能となる.通常は,それぞれの選択肢を実施した場合の費用を分子,効果を分母として,効果を1単位獲得するために必要な費用(費用効果比)を算出して比較検討する.効果としては血圧,血糖値などを用いてもよいが,生存年数を使用すると,異なる疾病間で比較することができる.またQOLも加味して分析する場合には,質調整生存年(QALY:quality adjusted life year)が利用される.一方費用については,医師,患者,社会などの立場によって費用が異なることに注意すべきである. 費用効果分析によって意思決定のために有用な情報を得ることが可能だが,効率性だけですべてが決定できるわけではない.実際には個人の価値観,社会の価値観,あるいは倫理面からの議論が必要である.
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