特集 症候別“見逃してはならない”疾患の除外ポイントPartⅢ
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pp.1027-1028
発行日 2014年11月15日
Published Date 2014/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414200071
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Q1:吐血・下血で緊急内視鏡検査の適応は?
A1:消化管出血の場合,ショック状態かどうかをまず判定する.血圧が正常であっても,臥位から座位へのヘッドアップにより,収縮期血圧が20mmHg以上低下するか,心拍数が20回/分以上増加すれば陽性で,プレショックの診断となる.また,起立時に脈拍が30回/分以上増加すれば,感度97%,特異度98%,LR+48.0,LR-0.03で大量出血の診断が可能である.これらを考慮して,出血源が上部消化管,下部消化管,もしくはそれ以外かを考える.下部消化管では緊急内視鏡の有用性は低く,出血源に迷った場合には,まず上部消化管出血を否定することが重要である.緊急上部消化管内視鏡検査の適応についての客観的な指標として,Blatchford scoreがよく知られているが,評価項目には,BUN値,Hb値,収縮期血圧,脈拍,黒色便の有無,失神の有無,肝疾患の有無,心疾患の有無が含まれ,スコア0点では,緊急内視鏡は必要ないと判断できる(JAMA 307:1072-1079, 2012参照).
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