特集 症例から学ぶ"息苦しさ"への対応
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錦織 宏
,
細江 雅彦
,
久保西 一郎
,
上野 幸広
,
石川 由紀子
,
清田 雅智
,
佐藤 元美
pp.1049-1051
発行日 2000年12月15日
Published Date 2000/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903146
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Q1 カリニ肺炎に対する予防および治療につ いて教えてください.
A 治療には,ST合剤(トリメトプリム・スルファメトキサゾール)とベナンバックス®(イセチオン酸ペンタミジン)のどちらかを用いる.ST合剤には内服薬のバクタ® と注射薬のバクトラミン® がある.バクタ® の投与量は8~12錠/dayで,経口摂取が困難な場合はバクトラミン® を点滴投与する.ベナンバックスRは4mg/kgを点滴静注し,2~3週間続ける.呼吸不全に進行すると予後が悪いため,カリニ肺炎が疑われる場合は,確定診断を待たずに使用する.また,呼吸状態の悪い症例にはステロイドを併用する. 予防には,バクタ® 2錠/dayの内服を週3回,またはベナンバックス® の吸人300mgを4週間に一度使用する.プレドニゾロン20mg/dayを1カ月以上投与する場合や,HIV陽性の患者でCD4陽性リンパ球が200/pl以下になれば,上記の予防投与を考慮する.
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