外来で見逃された症例―あなたの診断は?・18
腹痛・嘔吐・下痢を繰り返したSLEの女性
金剛寺 謙
1
,
馬杉 綾子
1
,
生坂 政臣
1
,
亀谷 学
1
1聖マリアンナ医科大学病院総合診療内科
pp.197,272
発行日 2000年3月15日
Published Date 2000/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902932
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症例:25歳,女性.前日午後4時頃に下腹部痛,ついで嘔気,嘔吐,水様便が出現し,夜間外来を受診.急性腸炎の診断にて,ブスコパンの筋注と補液を受け帰宅したが,症状が悪化したため翌朝当科を受診した.同様の症状が4カ月前と2カ月前にもあったが,いずれも胃腸炎と診断され,約1週間で自然軽快している.2年前に,他院にて全身性エリテマトーデス(SLE)と診断され,プレドニン20mg/日,ブレディニン150mg/日を内服中で,現在は寛解している.身体診察では,体温36.1℃,血圧100/70mmHg,脈拍90/分で,頭頸部,胸部,四肢に異常所見はみられない.腹部は軽度に膨満し,腸雑音は減弱していた.下腹部を中心に腹部全体に圧痛と軽度の筋性防御を認めた.血液検査所見では,WBC5,700/μl,CRPO.8mg/dlであった.腹部X線写真を示す(図1).
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