総合外来 当直医読本
嘔吐,腹痛,下痢,発熱と食中毒
今 明秀
1
1公立野辺地病院外科
pp.1122-1123
発行日 1994年12月15日
Published Date 1994/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901378
- 有料閲覧
- 文献概要
■1992年の食中毒患者数は約3万人で,サルモネラ菌が最も多く,次いで病原大腸菌,腸炎ビブリオ,キャンピロバクター,ブドウ球菌,ウェルシュ菌の順である(『国民衛生の動向1993年』).
■サルモネラ腸炎では死亡例もあり,重症例は早期より十分な治療を要する.
■腸管出血性大腸菌(E.coli 0 157:H7)は1982年に米国で初めて分離され出血性大腸炎を引き起こす.さらに溶血性尿毒症症候群など重篤な合併症を併発し,乳幼児では死に至ることも少なくない.
■食中毒の中には,下痢より腹痛,発熱の症状が強いものがある.症状が虫垂炎に酷似しているため虫垂炎手術を受けることもある.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.