Update '98
喫煙の動脈硬化に及ぼす影響について
弘岡 泰正
1
1ヒロオカクリニック
pp.959
発行日 1998年11月15日
Published Date 1998/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902602
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喫煙患者に対する禁煙指導は,自覚症状が乏しい場合には「体に悪いことはわかっているが好きな物を止めてまで長生きしたくない.」と言われ,引き下がらずを得ない場合も少なくない.
一方,受動喫煙の害が次第に明らかにされ,職場や家庭で家族,同僚からの外圧により禁煙を余儀なくされるという状況も生まれつつある.この受動喫煙の害について,最近具体性のある報告がなされた.これはARIS studyの一環として行われた米国の10,914名の中年を対象としたコホート研究で,現在の喫煙の有無,受動喫煙の有無により5群に分け,各々で初診時と3年後に超音波検査により総頸動脈の内膜肥厚を測定し,その進展の程度を検討したものである.この結果,喫煙と動脈硬化の進展の関連が明らかにされた.
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