Update '98
血小板減少と血球貪食症候群
西戸 孝昭
1
1みさと健和病院内科
pp.669
発行日 1998年8月15日
Published Date 1998/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902525
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不明熱に血小板減少を伴う症例に遭遇したときに,まず考えることは感染症や進行癌に伴うDIC (血管内凝固症候群)でしょう.
最近,筆者は不明熱の患者(80歳男性)で,血小板減少(7.4万/μl),白血球減少(3,200/μl),LDH高値(1,319IU/l)で凝固系正常という症例を経験しました.細菌検査陰性,抗生物質に反応せず,徐々に汎血球減少を呈し,末梢血スメア上,組織球系と思われる細胞が認められました.骨髄は低形成性で,血小板や細胞片を貪食するマクロファージ系異型細胞が一部集簇をなしており,悪性組織球症あるいは反応性組織球増多症が疑われました.本例ではステロイド大量投与が奏効し,一時的改善をみたものの,DICを併発して死亡しました.
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