今月の主題 免疫不全症候群と遺伝子異常
各疾患の遺伝子異常,診断と治療
家族性血球貪食症候群
大賀 正一
1
,
田中 珠美
2
Shouichi OHGA
1
,
Tamami TANAKA
2
1九州大学大学院成長発達医学・総合周産期母子医療センター
2九州大学大学院学術研究院
キーワード:
血球貪食性リンパ組織球症
,
細胞傷害性顆粒
,
高サイトカイン血症
Keyword:
血球貪食性リンパ組織球症
,
細胞傷害性顆粒
,
高サイトカイン血症
pp.599-604
発行日 2009年5月15日
Published Date 2009/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101980
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血球貪食症候群/血球貪食性リンパ組織球症(HPS/HLH)は,発熱,血球減少,肝脾腫,播種性血管内凝固および高フェリチン血症を呈し,血球貪食組織球が増加する高サイトカイン血症を背景とした危急症である.HLHは感染症やリンパ腫などに続発するものが多いが,家族性血球貪食症候群(FHL)はHLHをきたす常染色体劣性遺伝病である.FHLのほとんどは乳児に発症し,細胞傷害性顆粒代謝異常がその本態である.perforinを含む3つの原因遺伝子が明らかになったが,まだ約半数の症例の遺伝子異常は不明である.唯一の根治療法は同種造血細胞移植で,その時期と方法に関する検討が行われている.
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