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今月の特集1 血球貪食症候群を知る
血球貪食症候群とは
Overview of hemophagocytic syndrome
安川 正貴
1
1愛媛大学大学院医学系研究科血液・免疫・感染症内科学(第一内科)
キーワード:
血球貪食症候群(HPS)
,
血球貪食性リンパ組織球症(HLH)
,
家族性血球貪食性リンパ組織球症(FHL)
,
EB(Epstein-Barr)ウイルス
,
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
Keyword:
血球貪食症候群(HPS)
,
血球貪食性リンパ組織球症(HLH)
,
家族性血球貪食性リンパ組織球症(FHL)
,
EB(Epstein-Barr)ウイルス
,
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
pp.1042-1048
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200950
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Point
●血球貪食症候群(HPS)とは,さまざまな基礎疾患に合併する症候群であり,組織球が活性化し,自己血球を貪食した組織像が認められる病態の総称である.
●HPSは基礎疾患によって大きく,遺伝性(家族性)と続発性に分類される.続発性の基礎疾患として,EBウイルスなどの感染症,悪性リンパ腫を中心とする悪性腫瘍,自己免疫疾患などがある.
●主な臨床症状は,発熱,汎血球減少症,肝機能障害,凝固異常,肝脾腫などであり,基礎疾患に起因する高炎症性サイトカイン血症が病態の中心と考えられている.
●主な検査成績は,高乳酸脱水素酵素(LDH)血症,高フェリチン血症,血清可溶性インターロイキン2(IL-2)受容体高値,高トリグリセリド血症などであり,骨髄穿刺で赤血球や血小板などを貪食した活性化組織球が検出される.遺伝性HPSではNK細胞活性の低下が参考になる.
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