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増刊号 検査項目と異常値からみた—緊急・重要疾患レッドページ
7章 血液・造血器疾患
血球貪食症候群
Hemophagocytic syndrome(HPS)
高見 昭良
1
1愛知医科大学医学部血液内科
pp.502-503
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201984
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血球貪食症候群(HPS)は,血球貪食性リンパ組織球症(HLH)とも呼ばれる全身炎症性疾患である.国内全体の発症率は年間80万人に1人,主に常染色体劣性遺伝病でパーフォリン関連遺伝子異常を有する家族性血球貪食症候群(FHL)の頻度は出生5〜30万人に1人である.HPS/HLHの半数は1歳未満に発症し,1〜29歳が25%,残りは30歳以上である.ただし全年齢で生じ得る.遺伝性または遺伝子異常が証明できれば一次性(遺伝性)HPS/HLH,それ以外は二次性(後天性)HPS/HLHと診断される.感染症,特に典型例では,EB(Epstein-Barr)ウイルス感染を契機に発症する.HPS/HLHでは,最終的に,マクロファージが活性化・増殖し,血球など自己(宿主)細胞が貪食・融解され,高サイトカイン血症となる(図1).
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