Update '97
医師過剰時代の到来と総合診療医
戸倉 康之
1
1浦和市立病院
pp.769
発行日 1997年9月15日
Published Date 1997/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414902248
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わが国でも医療保険制度の抜本的改革が叫ばれ,医師の適正数が議論されている.欧米と同じく,近々,医師過剰時代が到来するという.1993年の検討委員会の報告では,2025年には2万6千人の医師過剰が予測され,その対策として,医学部入学生の定員の削減,医師国家試験改革,保険医の定年制などが検討されている1).
一方,医学部卒業生の進路の最近の傾向は,女医の増加が関連している可能性があるが,外科,小児科,産婦人科などいわゆるコアとなる診療科が敬遠され,眼科,耳鼻科などの専門科志向が多いという.これは一過性の現象と思いたいが(なぜならば市場原理が働いて自動調整される可能性があるから),もし,長年にわたってこの傾向が続くと国民の医療にとって重大な問題を引き起こす可能性がある.
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