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特集 コミュニケーション上手な医師になる
コミュニケーション・スキル
看護婦から見た医師のコミュニケーション・スキル
Doctor's Communication Skills from the Viewpoint of Nurses
岡谷 恵子
1
1日本看護協会看護研修学校
pp.796-797
発行日 1995年9月15日
Published Date 1995/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414901611
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■話し合おうとしない医師
患者:60歳の癌性腹膜炎の女性患者.
入院して1年を過ぎる頃に退院したいと言い出した.この患者は化学療法を受けていたが治療効果は低く,病状は徐々に悪化していた.患者は故郷を離れてこの病院に入院していたので,点滴をするだけなら,自宅近くの病院に転院したいと希望してきた.しかし主治医は退院を許可しなかった.患者は,病状が落ち着いていたので一時的にでも家に帰りたいと,再度訴えたが聞き入れられなかった.看護婦は患者の予後を考え,状態の良い今のうちに自宅に帰してあげたいと考えた.そこで,患者の治療方針について医師と話し合いたいとカンファレンスを提案したが,医師は時間がない,忙しい,看護婦は医師の指示に従っていればよいと言ってとりあおうとしなかった.いつなら時問が取れるかと聞いても,忙しいと一言いうだけで看護婦の話を聞こうとさえしなかった.結局,患者は2カ月後に病院で亡くなった.
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