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特集 癌患者の症状を緩和する
癌患者の痛みを緩和する―モルヒネの使い方を中心に
Cancer Pain and Oral Morphine
武田 文和
1
Fumikazu Takada
1
1埼玉県立がんセンター
pp.378-382
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900422
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・癌が進行すると患者が痛みを訴える頻度が増し,末期には主症状として痛みを訴える患者は70%にのぼる.日本人死亡者の27%が癌による死亡である現在,末期の痛みの治療は身近で重要な問題である.治療法の主体は主治医による鎮痛薬投与で,痛みを訴える癌患者の90%以上で有効である.中でもモルヒネが主役を果たす.
・しかし,治療成績は一般に不振で,日本の除痛率の平均は50%を下回っている1).いたずらに副作用や依存性の問題を恐れ,適応があってもモルヒネの投与を躊躇したり,投与しても少量すぎたり,副作用対策不足のため投与中断となったりするからである.改善には癌患者の診療にあたるすべての医師が痛みに対する鎮痛薬の使い方に習熟する必要がある.
・どの科の医師にも利用できる基本的な癌疼痛治療法2,3)をモルヒネを中心に紹介する.
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