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Bedside Teaching
禁煙外来の在り方
The Smoking Cessation Clinic for Treatment of Tobacco Dependence
飯田 真美
1,2
Mami Iida
1,2
1岐阜女子大学家政学部
2岐阜大学大学院医学研究科再生医科学循環器内科
pp.195-200
発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100026
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世界保健機関(WHO)によって策定された保健分野における初めての多国間条約である「たばこ規制枠組み条約(Framework Convention Tobacco Control:FCTC)」はタバコの消費などが健康に及ぼす悪影響から現在および将来の世代を保護することを目的とし,タバコに関する広告,包装上の表示などの規制とタバコの規制に関する国際協力について定めるものであり,わが国は2004年6月に19番目の批准国としてこの条約を締結した.2004年11月30日時点で40カ国が批准し,2005年2月27日に発効することになった.喫煙は癌,循環器疾患,呼吸器疾患をはじめとする多くの喫煙関連疾患発症,死亡を喫煙者の間に引き起こし,その数は急速に増えている.“タバコは疾病の原因のうち最大の予防可能なもの(WHO)”であることから,喫煙者に対する禁煙治療は医療従事者の責務であると考えられる.
わが国ではニコチンガムが市販薬となり,薬局での禁煙サポートも以前より有効に行えるようになった.また,ニコチンパッチが処方薬として広まり,一般外来のなかでも医療従事者がその気になって取り組みさえすれば,禁煙導入は比較的簡単にできるようになってきた.そのような状況の中,「禁煙外来」とは一般外来での短時間の禁煙導入では禁煙が難しい症例や,何度も禁煙に挑戦するが失敗している症例,精神科疾患などを有する禁煙困難例などに対しても禁煙のための専門的治療を行う外来であるとともに,禁煙意思のある喫煙者は誰でも受診して禁煙治療を受けられる外来として位置づけられる.最近では未成年者に対する禁煙治療を専門とする禁煙外来も開設されている1).
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