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チーム医療を円滑に進めるためには,患者・家族を中心に,医療スタッフ各職種が,おのおのの専門性を理解し,チームメンバーが対等であり互いを尊重し合える関係性が必要である。2009年,厚生労働省は「チーム医療を推進するため,日本の実情に即した医療・看護師等との協働・連携の在り方等について検討を行う」ことを目的に「チーム医療の推進に関する検討会」を発足した1)。検討会では,チーム医療の基本的な考え方,看護師の役割の拡大,看護師以外の医療スタッフなどの役割拡大,医療スタッフ間の連携の在り方が検討された。2010年に検討会の報告書が出され,その基本的な考え方として,チーム医療とは「医療に従事する多種多様な医療スタッフが,各々の高い専門性を前提に,目的と情報を共有し,業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い,患者の状況に的確に対応した医療を提供すること」と記された。また細田は,チーム医療とは「単に専門の異なる複数の職種が1人の患者に対して仕事をすることだけでなく,専門的な知識や技術を有する複数の医療従事者同士が,対等な立場にあるという,認識を持った上で実現される協働的な行為」と定義した2)。つまり,チーム医療に重要なことは,職種間でのコンフリクトをマネジメントし,それぞれの職種の専門性を理解・尊重し,職種による価値観の違いを認めつつそれを活かし,互いが協働しながら高い専門性を発揮することであると考えられる。パーキンソン病(Parkinson's disease;PD)は患者1人ひとりの症状や生活障害,治療効果や進行速度が異なるなかで,個々に応じて薬物調整することが基本であることから,PDの治療には複雑さが伴う。患者の生活を考慮しながら的確に診断,治療をするためには,多職種で構成されるチームとしての取り組みが重要になると考える。「KEY WORDS」チーム医療,多職種連携,パーキンソン病
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