Generalist and Specialist
医学教育の原点を考える
井形 昭弘
1
Akihiro Igata
1
1鹿児島大学
pp.7
発行日 1992年1月15日
Published Date 1992/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900299
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私が医師になった昭和三十年頃は,まず医学全般についてある程度の概観を持ち,その後専門分野の技術修得や研究に入って行くシステムで,日常の診療でgeneralistとspecialistを対比して考えることは少なかった.しかもその専門領域も現在のそれと比べまだ未熟で門外漢でもある程度までは理解できた.
その後,医学や医療技術は急速に進歩し専門分化が進んだ結果,現在では専門が違うと,他分野の進歩に追い付けず理解もままならぬ状態になってしまった.一般科学の分野ではそれで済むが,患者という人間を対象とする臨床医学では,悩む患者がそこに居り,一般的知識と専門的知識技術の全てを挙げて最善を尽くして対応せねばならず,どこに両者の調和を求めるかが極めて重要な課題となって来ている.
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