マイ・オピニオン
看護の原点を考える
大津 妙子
1
1豊橋市民病院
pp.21
発行日 1974年1月1日
Published Date 1974/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916911
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患者中心の看護が重視され,これに対応して総合看護の理念をかかげた新しい看護教育が発足しましたが,現実は患者中心の看護からまだほど遠いといっても過言ではないかと思われます.
看護婦不足のなかで,日常業務の消化に追われている状況のもとでは,手間と時間のかかる患者中心の看護がかけ声だけに終わるのも,もっとものようにみえますが,臨床現場におけるこのような看護の現状と,教育の場で受ける基本との間の矛盾が,希望をもってはいって来た看護学生の意欲の喪失にもつながっており,このまま現状を放置すれば看護界の質的向上という明るい将来への期待は,いっそう遠のくものと心配されます.
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