読者フォーラム
par avion 海外便り
松村 理司
1
1市立舞鶴市民病院内科
pp.693-694
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900221
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求む―"認識"心臓病医
本誌7月号のRodney Falk先生からの新しい便り
「現代心臓病学が息をのむような専門の数々を生み出してきたことは,どんな主要雑誌の求人広告欄でもひと目見るだけでよくわかります.専門医を求む―心臓超音波,放射線心臓病学,冠動脈造影,冠動脈形成,心臓電気生理学,心臓疫学,細胞・分子心臓病学,冠動脈疾患治療学…….これらの専門医は,とかく喜々として病変を計測します.侵襲的手技に走り,自然治癒力への期待は後回しになります.攻撃的なことは良いことで,何といっても早く皆の仲間入りができますし,発展の可能性も無限だということです.」
「すべては医学の進歩であり,進歩は良いことだという論法です.しかし,思慮深い医師ならちょっと考えただけで不安になります.一般の臨床心臓病医は,一体どこにいればよいのでしょうか.心臓のあらゆる動きが視覚化できたり,代謝の神秘が解明されるようになると,長い間臨床心臓病医の中心的な道具であった感度の良い耳は,無為萎縮してしまうのでしょうか.適切な医師・患者の意志疎通がなくても,心臓病のすべてが治せるのでしょうか.」
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