読者フォーラム
par avion 海外便り
朝倉 寛之
1
1シカゴマウントサイナイ病院産婦人科
pp.588-589
発行日 1991年9月15日
Published Date 1991/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900186
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米国での臨床研修を始めて
「JIM」誌の御発刊おめでとうございます.総合診療を目指したメディアの登場は,わが国の医学教育の歴史の中でも,画期的なことと思います.さて私こと,天理よろづ相談所病院での卒後研修の後,1990年夏より,米国シカゴ市内の約550床の総合病院にて,レジデント1年目としてのクリニカルトレーニングをはじめました.産科婦人科レジデント12人のうち1人として,外来,分娩,手術など非常に忙しいなかでも,徹底して臨床的な教育に,充実した毎日を送っています.
米国のレジデント制度(卒後初期研修に相当)は,図1のような種類と期間で構成されています.内科,外科,産婦人科,小児科などの主要専攻科の研修は3年から5年の長期にわたり,より専門分化した科で例外なく最低1年間の内科または外科での総合研修が必要とされます.(泌尿器科では3年,心臓外科では4年間の一般外科トレーニングが前提.)麻酔科や放射線科,皮膚科等の研修は,初期一般研修の上に成り立つ専門研修であるという哲学がひしひしと伝わる制度であり,ともすれば閉鎖的になりがちな各々の医学界の足並みを揃えるプラグマティズムの偉大さを感ぜずにはおれません.
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