Japanese
English
特集 腰痛を見分ける
泌尿器科疾患による腰痛
Low Back Pain due to Urological Diseases
小松 洋輔
1
Yosuke Komatsu
1
1関西医科大学泌尿器科学教室
pp.674-675
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900214
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ポイント
・泌尿器科疾患にみられる腰痛は尿路壁,すなわち,腎孟尿管壁の過伸展,腎被膜の緊満および腎実質の乏血によって起こる.腰痛の程度は過伸展,緊満や乏血が進行する速度に比例する.したがって,激しい腰痛は腎や尿路に急性病変が起こつたことを示す.
・泌尿器科疾患にみられる腰痛の特徴は痛みが左右にいずれかに偏在していることである.正中線に沿った腰痛を起こす泌尿器科疾患はまれである.
・泌尿器科疾患にみられる腰痛には発作性激痛を伴う疝痛と持続的な重圧感を伴う鈍痛とがある.
・泌尿器科疾患にみられる腰痛では多くの場合,尿所見に異常を認める.逆に尿所見に異常がない泌尿器的腰痛はまれである.
・疝痛時に排泄性尿路造影を行うと,泌尿器科疾患であれば異常所見が認められる.疝痛時の排泄性尿路造影が正常であれば疝痛は泌尿器科疾患によるものではないといえる.
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