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特集 小児の皮膚泌尿器科疾患
小児泌尿器科疾患について
UROLOGICAL DISEASES IN CHILDREN
辻 一郎
1
Ichiro Tsuji
1
1北大病院泌尿器科
1Dept of Urology, Hokkaido University Hospital.
pp.1243-1250
発行日 1957年12月16日
Published Date 1957/12/16
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202142
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緒言
小児の泌尿器科的疾患も本質的には成人のそれと違いはないのであるが,各疾患の頻度や重要性は成人とは自ら異るものがある。又小児は尿性器の構造機能の特殊性(未熟)とともに栄養・水と電解質代謝・心循環系機能等々,全身的諸要因においても成人とは可なりの差があるため,ある一つの疾患によつて惹起される臨床病像にも自ら特異な点が多く,一方その診断・治療の面に於いても特殊の条件や制約がある事は言う迄もなかろう。
近年小児泌尿器科疾患に対する関心の増大と各種診断・治療法の改良進歩とが相俟つて,小児泌尿器科学は泌尿器科領域に於ける重要な一つの新しい分野として目覚しい発展を来しつつある。この発展に,小児の一般的解剖・生理・病態生理の解明と特に治療面では化学療法・麻酔・術前,術中,術後の管理等の進歩が大きく寄与している事は勿論であるが,之等の事項に就いては他に適任の人も多く,また小児泌尿器科疾患の各項目に就いてはそれぞれの論者より詳細に記蔵される予定であるので,私は与えられた題目の下に,以下小児泌尿器科疾患の統計と共に各種臨床症状の分析意義及び診断法の要点を簡単に記して御参考に供したい。
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