読者フォーラム
コレスポンデンス
倉田 明彦
1
1国立大阪病院臨床検査科
pp.586-587
発行日 1991年9月15日
Published Date 1991/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900185
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"CPC"雑感
国立大阪病院では,月2回隔週水曜日の午後臨床研修部主催のCPCが行われている.研修生ならびにレジデント教育の一環として,できるだけ多くの医師に参加してもらうべく各科持ち回りを原則としている.主役はあくまで研修生・レジデント諸君で,司会,主治医,病理報告また最終的な総合解説もすべて彼らに分担してもらい,各科のスタッフと指導医たちは質疑者としての参加となる.最後に専門医師の解説をお願いして"単なる当てもの興行的CPC"はできるだけ避け,up-to-dateな知見を含めた高度な症例検討会を目指している.このうち年間十数例が学会で報告され,数例が論文報告されている事実は当初の目的を十分に果たしていると考えられる.
病理報告も彼らに担当させるのは,ともすれば敬遠しがちでかつ近くて遠い存在である病理検査業務への理解に有用であると考えたからである.ただし病理報告の教育は大変である.文字どおり"手とり足とり"病理肉眼ならびに組織所見の読み方と解釈また病理診断など一言一句伝授することになる.これは基礎医学側よりの疾病構造の理解を深め,将来の病理学的手法を用いての研究の一助となれば幸いでもある.それ以上にわれわれ病理医にとって無視できない効用がある.若い研修生レジデントと接し,彼らの新鮮な頭脳にわれわれ自身が活性化されることがしばしばあり,時に彼らの発想に意を改める場合もある.
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