当直医読本
高齢者の食後の急性腹症は御用心
上嶋 権兵衛
1
Gonbei Kamishima
1
1東邦大学大森病院救命救急センター
pp.512-513
発行日 1991年8月15日
Published Date 1991/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900160
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トピックス
50歳以上の成人に見られる食後30分に突発する腹痛,下痢,血便は急性腸間膜動脈閉塞症の可能性があり,心筋梗塞,うっ血性心不全,心房細動の存在はより可能性が高い.発症早期は腹部身体所見は少なく,腸雑音の減少,腹部膨満のみで,下痢,血便が見られる.腹膜炎症状の出現は腸管壊死の結果である.診断の遅れは致死的結果を招き,本症を疑ったら直ちに血管造影で診断確定し,外科的療法が選択される.一方,慢性腸間膜閉塞症(腹部狭心症)は腸間膜動脈の粥状硬化による腸管虚血の結果であることが多い.
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