特集 ストップ・ザ・医原性疾患
【医原性疾患エピソード】
高齢者への薬物投与にご用心!
齊藤 裕之
1
1東京医科大学病院総合診療科
pp.944
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101273
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症例1
ある日のことだった.患者は78歳の女性.昨日から急に始まった右顔面痛の訴えで来院した.右顔面痛は咀嚼が誘因となり,食事をすることもままならない様子であった.担当医の私は三叉神経痛と診断し,カルバマゼピン(テグレトール(R))を処方することにした.処方前に投与量を薬本で調べたところ,「三叉神経痛に対して初め1日200~400mgから開始し,その後に600mgまで漸増する」と書かれてあった.それを参考に,カルバマゼピン1日400mgを分2で処方し,3日後に薬の効果判定をすることにした.
翌朝,その患者が薬を内服した後からふらつきが強くなり,自宅で転倒したと電話連絡が入った.
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