Japanese
English
特集 発熱の診療ストラテジー
胆道感染症
Infectious disease of the biliary system
森田 敏和
1
Toshikazu Morita
1
1東京警察病院消化器センター
pp.157-159
発行日 1991年5月15日
Published Date 1991/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900042
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ポイント
・胆嚢炎は,一般に軽度~中等度発熱・強い上腹部痛あるいは右季肋部の自発痛と圧痛,疝痛発作を主症状とする.また,悪心嘔吐を伴うこともある.筋性防御(Blumberg徴候)があれば胆汁性腹膜炎の可能性があり手術の必要性を考える.
・発熱,右季肋部痛に黄疸が加わるとCharcotの3徴と言い胆管炎の存在を考える.さらに意識障害や精神錯乱,ショックの出現が加わったReynoldsの5徴が重症胆管炎の症状として有名である.
・軽度腹痛にたいして,ブスコパンの皮下注射は効果的である.これに対してソセゴンの鎮痛作用は中枢性に効き作用部位の異なることに注意.また鎮痛剤に発熱を隠蔽する薬のあることに注意.
・胆道感染症を疑ったら,腹部超音波検査を試みる.胆嚢の短径40mm以上,胆嚢壁が3~4mm以上では胆嚢炎を疑ってみる.さらに胆石の存在があれば98%の確率で胆嚢炎である.
・保存的治療として抗生物質,絶食,輸液が必要.場合により経鼻胃管による吸引も必要.胆道感染症の治療原則は化学療法で広域ペニシリン剤(PIPC),セフェム系薬剤(第2・3世代)が良い.
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