Japanese
English
特集 発熱の診療ストラテジー
よくみるウイルス感染症
Common viral infections in outpatients
菅野 治重
1
Harushige Kanno
1
1千葉大学医学部附属病院検査部
pp.153-156
発行日 1991年5月15日
Published Date 1991/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900041
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
ポイント
病原微生物を問わず感染症では通常の病歴に加え,以下に挙げた事項も重要となる.ウイルス感染症では原因ウイルスを特定できない場合も多いが,細菌感染症との鑑別は治療上重要である.
・発熱出現の経過と最高体温および熱型:発熱出現の経過が急激か緩除か,最高体温とその経過,熱型(稽留熱,弛張熱,間欠熱のいずれか)などを把握する必要がある.
・特異症状の有無:ウイルス性疾患では特に発疹が重要である.
・家族などで同様の症状を呈した者の有無:該当者があれば伝染性疾患の可能性がある.
・最近の旅行歴:風土病的ウイルス性疾患の可能性が生じる.
・他臓器の感染病巣の有無:ウイルスの臓器特異性が診断に有用な場合がある.
・性行動:性器および関連臓器での感染では感染経路の把握が重要である.
この他にも,末梢血白血球数とその分画(→1),脈拍数などが診断に有用な情報となる.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.