今月の主題 化学療法剤—現状とその使い方
化学療法剤の選び方・原因菌不明の場合
胆道感染症
斎藤 玲
1
1北大・第2内科
pp.840-841
発行日 1973年7月10日
Published Date 1973/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204808
- 有料閲覧
- 文献概要
胆道感染症の原因菌を検索する手段としては,直接胆嚢胆汁を採取することは難しいので,Meltzer-Lyon法により,十二指腸液を採取し,そのB-胆汁の細菌学的検査に頼る方法がとられている.しかし,一般に内科臨床において,患者に常に本法を施行することは困難であり,原因菌不明のまま,化学療法を開始せざるを得ないことが,他の感染症に較べて多い.このような場合,化学療法剤を選択する背景として,胆道感染症の原因菌として頻度の高い菌を目標とし,その推定菌に対して感受性が高く,かつ病巣部位すなわち胆汁への移行が良好な広域性スペクトルの薬剤を選ぶことが基本となろう.この基本に従い,まず胆道感染症の原因菌および化学療法剤の胆汁への移行性について述べる.
Copyright © 1973, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.