今月の主題
胆道感染症の治療
真下 啓明
1
1北大第二内科
pp.31-34
発行日 1966年1月10日
Published Date 1966/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201128
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胆道感染症とは
一般に胆道感染症としてあつかわれるのは胆嚢炎,肝外胆管および肝内胆管のなかでも比較的太い胆管の急性および慢性炎症であり,細胆管炎はふくまない。
第一にこの胆道感染症が真の感染性炎症であるか否かということが問題になる。つまり胆道感染症の治療を考える場合にも成立病理に対する理解が必要である。この成立病理については歴史的にもさまざまな変遷がみられ,しかも今日においてもなお十分明らかにされたとはいえない状態である。19世紀末より20世紀初頭にかけて種々の病原体発見の相次いだ時代においては当然各種の疾患の原因を微生物に求めた。このような背景においては本症に関しても細菌に第一次的役割を求める考え方が主流であつた。
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