特集 総合診療医のための結核診療Update
【結核予防の最新知識】
学校・企業における結核対策,特に外国人・海外滞在者への対応
高崎 仁
1
1国立国際医療研究センター呼吸器内科
キーワード:
罹患率
,
高蔓延国
,
潜在性結核感染(latent tuberculosis infection : LTBI)
,
インターフェロンγ遊離試験(IGRAs)
Keyword:
罹患率
,
高蔓延国
,
潜在性結核感染(latent tuberculosis infection : LTBI)
,
インターフェロンγ遊離試験(IGRAs)
pp.1124-1126
発行日 2014年12月15日
Published Date 2014/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414200111
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Case
ネパール出身の日本語学校留学生
患者:22歳,男性.出生国はネパール.2カ月前に来日し,日本語学校に入学.
既往歴:特になし.
現病歴:2年前に咳嗽のため診療所を受診し,肺結核と診断され,標準的抗結核療法が実施されたが,2カ月で自己中断.薬剤感受性試験は実施されず.来日の1カ月前から再び咳嗽を自覚していた.2カ月前に入国後,日中は日本語学校に通い,夜間はインド料理店でアルバイトをしていた.咳嗽は徐々に強くなったが,多忙かつ日本語が不自由なため医療機関を受診しなかった.保健所が実施する日本語学校就学生健診にて胸部単純X線写真で異常を指摘され,日本語学校教師に付き添われて来院した.広範な粒状影と空洞,浸潤影を認め,活動性肺結核(学会分類bⅡ3)が疑われ,喀痰抗酸菌塗抹3+,結核菌群PCR陽性と判明した.イソニアジド(INH)耐性.接触者に有症状者はいなかったが,2カ月後に実施された接触者健診にて,同じクラスの学生20名中16名がIGRA(J3参照)陽性であり,うち3名が発病していた.
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