特集 総合診療医のための結核診療Update
【結核予防の最新知識】
在宅診療における結核対策
土田 知也
1
,
國島 広之
1
1川崎市立多摩病院(指定管理者:聖マリアンナ医科大学)総合診療内科
キーワード:
在宅結核診療
,
感染予防
,
再燃早期発見
,
DOTS
Keyword:
在宅結核診療
,
感染予防
,
再燃早期発見
,
DOTS
pp.1128-1131
発行日 2014年12月15日
Published Date 2014/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414200112
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Case
キノロン前投与により診断の遅れた肺結核の1例
患者:85歳,男性.
既往歴:アルツハイマー病,肺気腫,誤嚥性肺炎.
ADL:全介助.
現病歴:自宅で妻と二人暮らし,アルツハイマー病でADLは全介助.半年前にも肺炎で入院歴あり.今回,誤嚥性肺炎の診断で入院.入院前,前医よりガレノキサシンが処方されていた.入院時には抗酸菌塗抹検査は陰性であったが,数日後にPCRで結核菌群が陽性となった.塗抹検査を再検したところ3回目にガフキー1号が検出され,結核専門病院へ転院となった.後日,培養検査の陽性が判明した.嚥下は不可能であり,経鼻胃管での投薬,栄養管理を行っていた.在宅加療となるため胃瘻造設し,治療開始より2カ月後に退院.妻のみでは介護負担が多く,訪問介護,訪問看護を導入し,訪問診療医がイソニアジド(INH),リファンピシン(RFP),エタンブトール(EB)を継続処方している.
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