特集 基礎と臨床から炎症性腸疾患を診る
炎症性腸疾患の疫学 ─海外と日本の動向は同じ? それとも違う?
西脇 祐司
1
1東邦大学医学部社会医学講座衛生学分野教授
キーワード:
疫学
,
有病率
,
罹患率
,
性比
,
UC/CD比
Keyword:
疫学
,
有病率
,
罹患率
,
性比
,
UC/CD比
pp.9-12
発行日 2020年11月20日
Published Date 2020/11/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.38.11_0009-0012
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潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC),クローン病(Crohn's disease:CD)といった炎症性腸疾患は,現在のところはっきりと病因がわかっておらず,発症すると長期間の治療が必要になる慢性の病気で,寛解期と再燃期を繰り返すのが特徴とされている。歴史的には西欧諸国に多い疾患との位置付けであったが,近年のデータによれば,アジアの国々での患者数が増加している。これについての原因は明らかではないが,アジアでの増加の原因を解明することは,この疾患の発症と進展に迫るヒントを提供する可能性がある。本稿では,UCおよびCDの基礎疫学的情報について,特に西欧諸国とアジアとの比較を念頭に置いて記述したい。「KEY WORDS」疫学,有病率,罹患率,性比,UC/CD比
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