特集 感染症を病歴と診察だけで診断する!
【System 2 理詰めで追い詰める感染症】
人も病気も見かけじゃない
羽田野 義郎
1
1Mahidol Bangkok School of Tropical Medicine, Faculty of Tropical Medicine, Mahidol University
キーワード:
伝染性単核球症
,
ウイルス性髄膜炎
,
発熱+咽頭痛
,
急性HIV感染症
,
性感染症
Keyword:
伝染性単核球症
,
ウイルス性髄膜炎
,
発熱+咽頭痛
,
急性HIV感染症
,
性感染症
pp.729-732
発行日 2014年8月15日
Published Date 2014/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103306
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Case
伝染性単核球症疑いの一例
患者:生来健康な25歳男性.
現病歴:入院1週間前から発熱,頭痛,咽頭痛を認め近医受診,急性上気道炎として対症療法となった.症状が続くため再受診,入院4日前の採血で肝機能障害,異型リンパ球を認め,cytomegalovirus(CMV)-IgMが軽度陽性であったため,伝染性単核球症の診断.消耗しており頭痛も増悪傾向のため入院となった.入院後の問診で不特定多数の性交歴,入院3週間前に自然消失した一過性の皮疹,頭痛という病歴を認め,急性HIV(human immunodeficiency virus)感染症を疑い,RT-PCRを提出したところ陽性となり,急性HIV感染症の診断となった.髄液検査ではウイルス性髄膜炎を示唆する所見であり,急性HIV感染症によるものと判断した.対症療法で症状は軽快し,入院14日目に退院となった.
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