特集 —withコロナ—かぜ診療の心得アップデート
【各論】
—かぜ診療の基本—❸のど型—咽頭炎
河野 圭
1
1一宮西病院 総合診療科
キーワード:
かぜ
,
咽頭炎
,
McIsaac基準
,
killer sore throat
,
伝染性単核球症
,
急性HIV感染症
,
亜急性甲状腺炎
,
COVID-19
Keyword:
かぜ
,
咽頭炎
,
McIsaac基準
,
killer sore throat
,
伝染性単核球症
,
急性HIV感染症
,
亜急性甲状腺炎
,
COVID-19
pp.174-178
発行日 2022年2月15日
Published Date 2022/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203592
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Case
のどの痛み、発熱を主訴に来院した1例
患者:24歳、女性。
現病歴:来院前日から、のどの痛みと発熱があり、救急外来を受診した。鼻汁・鼻閉や湿性咳嗽はあるが、そこまで目立たない。嚥下痛があるが、唾液は容易に飲み込めて、我慢できないほどではない。開口障害なし、嗄声なし。声質もいつもと変化はないとのこと。SARS-CoV-2 mRNAワクチンはすでに2回接種し、2週間以上経過している。未婚で1人暮らしであり、パートナーはおらず、1年ほど性交渉はない。喫煙歴なし。職業は会社員で、デスクワークが中心で営業などの接客はない。食事は会社でも自宅でも1人、多くても同僚の2人で短時間で行い、外食や渡航、故郷への帰省、人が集まるようなイベントへの参加はない。
身体所見:外観は概ね良好で、頻呼吸なし。咽頭は全体に軽度発赤・腫脹が見られるが、白苔はない。頸部リンパ節に腫脹なし。甲状腺の腫大圧痛なし。頸部に吸気性雑音は聴取されず。肺音も雑音は聞かれず。
経過:自然治癒しうる呼吸器ウイルスによる咽頭炎の可能性が高く、red flagサインがないこと、細菌性・COVID-19・伝染性単核球症・性感染症・亜急性甲状腺炎・非感染症性の緊急疾患は否定的であることから抗菌薬は処方せず、対症療法として解熱鎮痛薬を処方し、帰宅とした。しかし今後の経過で、咽頭痛の急激な増悪や嚥下困難などred flagサインが出現した場合には、すぐに受診をするように説明した。
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