特集 「診断エラー」を科学する!—セッティング別 陥りやすい疾患・状況
【セッティングⅢ】一般外来
❹HIV感染症
滝澤 あゆみ
1
,
福島 一彰
1
1がん・感染症センター都立駒込病院 感染症科
キーワード:
診断エラー
,
急性HIV感染症
,
皮膚疾患
,
性感染症
,
MSM
,
いきなりAIDS
Keyword:
診断エラー
,
急性HIV感染症
,
皮膚疾患
,
性感染症
,
MSM
,
いきなりAIDS
pp.601-605
発行日 2022年5月15日
Published Date 2022/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203727
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Case
長引く発熱のため受診した一例
患者:36歳、男性
現病歴:来院2カ月前に抜歯したが、傷の治りが悪かった。また、口腔内に白苔を認め、歯科で「口腔カンジダ症」と診断された。3週間前より38℃台の発熱と乾性咳嗽があった。近医を受診し、「感冒」の診断で対症療法を行った。その後も発熱が続き、抗菌薬を処方されたが改善しなかったため、当院を紹介された。
当院初診時、口腔カンジダ症の既往と同性間性交渉歴があることを聴取した。身体診察で複数の頸部リンパ節腫大があり、胸部CTで両側にすりガラス影、血液検査でβ-Dグルカン上昇を認めた。「ニューモシスチス肺炎」と判明し、HIVスクリーニング検査を行うと陽性であった。HIV確定検査も陽性となり、「HIV感染症」と診断した。
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