特集 —え、ウソ!実は◯◯だった!?—“コモンディジーズ”の診断ピットフォール
⑩「関連痛には騙されないぞ!」と思っていたけど…
佐々木 陽典
1
1東邦大学医学部 総合診療・救急医学講座
pp.271-273
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429204703
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Case
患者:86歳、女性
主訴:左肩の痛み、立ちくらみ
既往歴:乳がん術後、心房細動、高血圧症
内服:リバーロキサバン10mg/日、カルベジロール2.5mg/日、テルミサルタン40mg/日
嗜好品:喫煙・飲酒なし
現病歴:10日前から、左肩に圧迫されるような持続痛が出現した。2日前から、胸焼けと悪心、立ちくらみを伴うようになったため受診した。腹痛や黒色便・血便はなかった。
身体所見:血圧94/40mmHg、脈拍数63回/分・不整、体温35.5℃。眼瞼結膜蒼白。左肩に圧痛・発赤・腫脹・可動域制限なし。頸部・胸部・腹部ともに圧痛なく、腸雑音も正常だった。末梢冷感を認めたが、浮腫はなかった。直腸診は患者が拒否したため実施せず。
検査:12誘導心電図;心房細動以外に特記すべき所見なし。血液検査;Hb 8.4g/dL、MCV 89.2fLと正球性貧血を認めた。血清トロポニンⅠ陰性。
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