症例
多彩な神経症状を生じたサルコイドーシスの1例
服部 有希
1
,
高橋 智子
,
大野 康
,
木村 暁夫
,
清島 真理子
1岐阜大学 皮膚科
キーワード:
顔面神経疾患
,
顔面麻痺
,
紅斑
,
知覚障害
,
動眼神経疾患
,
経皮投与
,
リンパ系疾患
,
サルコイドーシス
,
胸部CT
,
サルコイドーシス-神経
Keyword:
Administration, Cutaneous
,
Facial Nerve Diseases
,
Erythema
,
Facial Paralysis
,
Lymphatic Diseases
,
Perceptual Disorders
,
Sarcoidosis
,
Oculomotor Nerve Diseases
pp.1993-1996
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2017129391
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51歳女性。2ヵ月前より鼻根部の紅斑を自覚し、徐々に拡大したため近医を受診後、紹介となった。初診時、鼻根部から鼻孔周囲、両頬部、オトガイに3~5mm大の浸潤性紅斑、丘疹が散在し、病理組織所見では真皮内の非乾酪性類上皮細胞性肉芽腫、胸部CTでは両側肺門部リンパ節腫脹を認め、サルコイドーシスと診断された。皮疹に対しデキサメタゾンプロピオン酸エステルクリーム外用、0.1%タクロリムス軟膏外用、トラニスト内服を行うも無効で、初診8ヵ月後より紅斑が拡大・増加し、一過性動眼神経、顔面神経麻痺、両足底の知覚異常が出現した。神経伝導速度検査では両腓腹神経伝導障害を認め、同時期に行った胸部CTでは両肺野の多発浸潤影がみられた。無治療で経過観察したところ、顔面神経麻痺と動眼神経麻痺は改善したが、両足底の知覚異常は持続しており、今後はステロイド治療の開始について検討中である。
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