Editorial
良き夢を
松村 真司
1
1松村医院
pp.385
発行日 2014年5月15日
Published Date 2014/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103196
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当院は夜間診療が中心なためか,それとも単に仕事の段取りが悪いためか,どうしても帰宅は一般の定義でいうところの深夜になってしまう.必然的に,すっかり眠りに落ちた家人を起こさぬよう,そっと寝室に忍びこむのだが,光さえ届かぬ海底に沈む古代遺跡のような眠りに見えても,わずかにたてる物音で,家人の目を覚まさせてしまうのもしばしばである.
ただ,声がするからといっても,よく見るとまだ深い眠りの中,ということも時にある.他の家庭と比較したわけではないが,わが家の人々は寝言を発する率が高いような気がする.とはいえ,自分も場面に応じた言葉をよく発しているそうなのでその一員である.最近は,仕事絡みの寝言が特に多いらしく,一生懸命に診察をしたり,声を荒げて会議に出ていたりすることもあるのだそうだ.せっかくなら,もっと上質な夢を見たいと心より希望するのだが,こればかりはリクエスト通り上映が始まらないのであきらめるよりほか仕方がない.
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