鴨川便り・11
良い病院には良い図書室が
牧野 永城
1
1亀田総合病院診療統括
pp.1460-1461
発行日 1994年11月20日
Published Date 1994/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901715
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筆者は3年半程前から「医療の質に関する研究会」のメンバーとして参画し,近年は全国各地の病院を訪問,評価項目について調査(サーベイ)して歩いている.その内容は多岐にわたり,興味深いことが多いが,その1つとして私の目に顕著に写ることに,不採算部門の貧弱さがある.図書室,診療録管理部門,組織病理部門などがその例である.医療保険の支払制度の下でいつも日陰におかれている部門で,病院にとって投資のし甲斐がない,もしくはこの病院の財政苦難の時代にそれどころではないということになるのだろうか.
図書室も興味があって,外国の病院を歩くとき,よく見学してきたが,欧米先進国の図書室と比べるとその落差になんとも言い様のない寂しさを感ずる.筆者のいた聖路加病院は橋本先生がまだ院長としてお元気だった頃メイヨークリニックとは特殊な縁があった.そのため私も何度かメイヨーを訪れる機会があって,いつも心暖まる歓迎を受けたのだが,図書館長のトーマス・キース氏はとりわけよく面倒を見てくれた.燦々と陽の当たる素晴しいサニーロープの彼の家でのシェリーパーティー,ホテルケーラーで私のために開いてくれたスタッフ達を招待してのパーティー.そのとき集まったメイヨーのスタッフの豪華な顔触れ,世界的な名前が何人もそこに並んでいるのに興奮したっけ.そこでもらった招待客署名入のメイヨー箴言集の一冊は感激だった.
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