特集 帰してはいけない「こども」を見逃さないために
【総論】
こどもへの語りかけ方と母親からの情報収集のコツ
佐古 篤謙
1
1湯郷ファミリークリニック
キーワード:
こどもとのコミュニケーション
,
発達段階
,
患者中心の医療の方法
,
母親の病い体験(illness)
,
母親の置かれた状況(context)
Keyword:
こどもとのコミュニケーション
,
発達段階
,
患者中心の医療の方法
,
母親の病い体験(illness)
,
母親の置かれた状況(context)
pp.299-301
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103166
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Case
症例:1歳2カ月,男児,母親と受診.
現病歴:昨日から咳・鼻水あり,夜になって39℃台の発熱とともに,「のどが痛そうな変な咳」をするようになってきた.今朝は少し落ち着いていて元気もあるが,念のため受診したとのこと.診察室では活気があり,「アッ!」と言いながら診察室に置いてあるおもちゃを指さしている.来院時体温は36.7℃,身体診察では軽度の咽頭発赤以外には特記すべき異常は認めなかった.「のどが痛そうというのは,どのような様子から感じたのか」と聴くと,「のどに何かが引っかかっているような咳をしていたので」とのことであった.痰がからむような感じだったのか確認すると,「そういうわけではないんですが,苦しそうで.なんと表現したらいいのか……」と戸惑った様子であった.クループ特有の咳を動画で記録したものを再生して聞いてもらうと「これと同じ咳です!」と話された.これらの情報から軽症のクループと診断,母親にクループの特徴とケアの注意点についてお話をしたところ,安心をされた様子であった.こどもは母親に抱かれながら「バイバイ」をして退室していった.
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