特集 “とりあえずスタチン”から脱却!—動脈硬化性疾患一次予防・最新の考え方
治療
包括的治療の考え方
鎌倉 健人
1
,
関口 健二
1,2
1市立大町総合病院総合診療科
2信州大学医学部附属病院総合診療科
キーワード:
全人的医療
,
患者中心の医療の方法
,
久山町スコア
Keyword:
全人的医療
,
患者中心の医療の方法
,
久山町スコア
pp.1240-1246
発行日 2024年7月10日
Published Date 2024/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402229673
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Point
◎医療における“包括的”とは,疾患の多様性(一次予防〜三次予防,急性期〜慢性期を含む)と全人的医療(「患者中心の医療の方法」を用いた実践)という2つの要素がある.
◎『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版』(JAS 2022)での改訂により,高トリグリセライド(TG)血症の診断基準に随時TG 175 mg/dLも含まれるようになった.
◎動脈硬化性疾患(ASCVD)の一次予防における脂質管理目標値を定めるうえで,従来用いられていた吹田スコアからアテローム血栓性脳梗塞をアウトカムに含めた久山町スコアが用いられるようになった.
◎JAS 2022では糖尿病で合併症や喫煙がある場合には,より厳格な目標値(LDLコレステロール<100 mg/dL)が設定された.
◎疾患の多様性を担保しつつ個々の症例に応じた全人的医療を提供するという,2つの包括性を実践することが本当の意味での包括的治療である.
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