特集 帰してはいけない「こども」を見逃さないために
【総論】
こどもの健康を守るための総合診療医・家庭医の役割とは―小児科専門医からの期待
田原 卓浩
1
1たはらクリニック
キーワード:
小児プライマリ・ケア
,
小児医療提供体制
,
協働(スキルミクス)
,
顧客満足度
Keyword:
小児プライマリ・ケア
,
小児医療提供体制
,
協働(スキルミクス)
,
顧客満足度
pp.296-298
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103165
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小児医療提供体制の将来像
長年にわたり国家の課題として数多くの取り組みが行われてきている「超少子ならびに核家族化による社会問題」は,その解決の糸口を見ないまま,人口減少時代に突入した.人口の偏在がさらに加速されてくることは周知のごとくで,わが国の未来に大きな影を落とし始めている.
“未来の宝”であるこどもたちの健康を守るために不可欠な方策の一つに「小児医療提供体制」があげられる.日本小児科学会がその構想を提示しており(図1)1),可及的速やかに機能させることが望まれている.特に小児プライマリ・ケアの現場では,診療・保健・福祉を包括した「地域」あるいは「医療圏」ごとに,それぞれの特性を踏まえた基盤づくりがなされているが,こどもたちと家族のためのよりよい小児医療環境を整備するためには,医師の専門科を越えた協働(スキルミクス)が「要」となる.
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