みるトレ
Case 43
笠原 敬
1
1奈良県立医科大学感染症センター
pp.901-902
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414103009
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Case 43
患者:78歳,女性.
主訴:悪寒・戦慄を伴う発熱.
既往歴:特になし.
現病歴:1月上旬に腹痛や下痢などの症状があり,近医で感染性胃腸炎と診断され投薬治療を受けた.1月中旬から悪寒戦慄を伴う39℃台の発熱が出現した.近医で感冒と診断され,投薬(詳細不明)を受けていたが解熱せず,1月30日に近医に入院した.セフタジジム(1回1gを1日2回)を投与されたが解熱せず,フェリチンが232ng/mlと軽度高値であったため成人Still病が疑われ,2月6日からプレドニゾロン(20mg)の内服が開始になった.しかし,その後も解熱せず,精査加療目的で当院に紹介入院となった.咳,痰などの呼吸器症状なし,軽度の心窩部痛を認めるが下痢はなし.
身体所見:血圧126/78mmHg,脈拍数72回/分・整,呼吸20回/分,体温38℃.眼球結膜はやや貧血様.心音は胸骨右縁第2肋間で最強点を有するⅢ/Ⅵの収縮期雑音を聴取する.心窩部に軽度圧痛を認め,肝叩打痛も認める.四肢にOsler結節やJaneway病変なし,下腿浮腫なし.腸腰筋徴候陰性.
検査:WBC 10,500/μl(stab 7%,seg 88%,lym 3%),Hb 8.9g/dl,Plt 11.5×104/μl,ESR 62mm/hr,CRP 11.0mg/dl,AST 27IU/l,ALT 31IU/l,γ-GTP 189IU/l,ALP 564IU/l,Glu 208mg/dl,HbA1c(JDS)7.1%.
腹部造影CTを示す(図1).
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