Japanese
English
研究と報告
拘束性換気障害モデルにおいて連続嚥下が呼吸に与える影響
Effect of continuous swallowing on respiration in the presence of thoracic restriction.
染矢 富士子
1
,
山浦 卓哉
2
,
横川 正美
1
Fujiko Someya
1
,
Takuya Yamaura
2
,
Masami Yokogawa
1
1金沢大学医薬保健研究域保健学系リハビリテーション科学領域
2浅ノ川総合病院
1Division of Rehabilitation Medicine, College of Medical, Pharmaceutical and Health Sciences, Kanazawa University
2Asanogawa General Hospital
キーワード:
肺機能
,
連続嚥下
,
換気障害
Keyword:
肺機能
,
連続嚥下
,
換気障害
pp.663-668
発行日 2010年7月10日
Published Date 2010/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101810
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:嚥下は呼吸を止めて行う動作であり,神経筋疾患では肺活量が低下し,嚥下が困難となると言われている.そこで今回,拘束性換気障害モデルをバストバンドで作成したうえで連続嚥下を施行させ,嚥下中および嚥下後の呼吸状態や終末呼気炭酸ガス濃度(ETCO2)の変化を10名の健常者で評価した.その結果,バストバンドの有無にかかわらず嚥下中の分時換気量(VE)は低下し,ETCO2は上昇した.また,バストバンドなしでは1呼吸時間は連続嚥下により著明に延長し,嚥下終了後は深い呼吸でVEを増大させ,ETCO2は改善した.これに対し拘束性換気障害モデルでは,1呼吸時間は変化せず,また十分な深い呼吸ができないことが示された.以上より,拘束性換気障害の嚥下中の息苦しさは,換気量の制限により嚥下中に呼吸のリズムをくずせず,嚥下終了後も急速な回復が困難であることに起因している可能性を示唆した.
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.