特集 血液疾患ブラッシュアップ
【専門医からのフォローアップ依頼を受ける場合】
HTLV-1キャリア
塚崎 邦弘
1
1国立がん研究センター東病院 血液腫瘍科
キーワード:
HTLV-1キャリア
,
成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)
,
HTLV-1関連痙性麻痺(HAM)
,
HTLV-1関連ブドウ膜炎
,
日和見感染症
Keyword:
HTLV-1キャリア
,
成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)
,
HTLV-1関連痙性麻痺(HAM)
,
HTLV-1関連ブドウ膜炎
,
日和見感染症
pp.232-233
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102780
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- 文献概要
Human T-lymphotropic virus type I/Human T cell leukemia virus type I(HTLV-1)キャリアは,日本では西南九州沿岸部を主に110万人ほど,世界では日本のほか中南米,中東,オセアニア,アフリカを主に数千万人ほどがいると推定されている.HTLV-1キャリアにおけるHTLV-1関連疾患の生涯発症頻度は,成人T細胞白血病・リンパ腫(adult T-cell leukemia-lymphoma : ATL)が数%,HTLV-1関連痙性麻痺(HTLV-1 associated myelopathy : HAM)とHTLV-1関連ブドウ膜炎(HTLV-1 associated uveitis : HU)はその1/10未満と報告されている.
感染ルートは,母乳を主とした母児感染,性交渉,細胞成分を含む輸血(新鮮凍結血漿以外)の3つが主なもので,いずれもHTLV-1が感染したTリンパ球がリンパ球に接して感染する.B型・C型肝炎ウイルスに比べてその感染力は弱いことが知られているが,日常診療と生活指導では同様の感染予防対応がとられている.献血者の抗体スクリーニングにより輸血感染はほぼ完全に阻止された.
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