特集 耳・鼻・のどのトラブル対応―耳鼻咽喉科コンサルテーションをする前に
【コラム】
唾石症―その頻度と対応
藤原 久郎
1
1愛野記念病院耳鼻咽喉科
pp.513
発行日 2012年7月15日
Published Date 2012/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102541
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唾石症は外科治療をする耳鼻科が専門的に扱う疾患でもない.患者さんが最初に受診すると予測される一般内科,小児科,歯科,総合診療科,かかりつけ医の先生にとって見逃してはいけない重要な疾患である.唾石を念頭に置いておけば失敗することはないのだが,誤診するとミグレイトペイシェントを生み,患者さんからの顰蹙を買うことになる.頸部悪性リンパ腫,癌のリンパ節転移を頸部リンパ節炎として誤診するよりも罪は軽いが,唾石を念頭に置かなかったばかりに,時間が経過してしまい信頼を失ったケースが多いからである.画像診断に頼らず,初期でも唾石症と診断できる医師が求められている.誤診,遅診は唾石症の知識があれば防げる.
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