What's your diagnosis?[113]
狩のバリエーション
角張 玲奈
1
,
栗山 明
2
,
酒見 英太
1
1洛和会音羽病院総合診療科
2倉敷中央病院総合診療科
pp.332-335
発行日 2012年5月15日
Published Date 2012/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102483
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病歴
患者:コントロール良好なⅡ型糖尿病をもつ64歳,男性.
主訴:嗄声,嚥下困難,吃逆.
現病歴:入院18日前に倦怠感と鋭い右側咽頭痛・嚥下時痛が出現し,翌日には嗄声もきたしたため,入院14日前に近医内科を受診した.急性上気道炎として抗菌薬(モキシフロキサシン)を処方され3日間内服したところ,咽頭痛は徐々に改善したが嗄声は持続した.一方,入院13日前より飲水でむせが出現し,さらに吃逆が頻繁に出るようになった.
嗄声とむせが持続するため,入院3日前に他病院耳鼻咽喉科を受診し,喉頭鏡検査で右声帯の傍正中固定を指摘されたが,とくに粘膜病変は指摘されなかった.同院で撮られた胸部CTで右肺のみに散在する淡い小斑状影(図1)を指摘され,抗菌薬(レボフロキサシン)を処方されて入院当日まで内服した.
入院2日前より固形物でもむせるようになり,嘔吐も出現したため,同院で上部消化管内視鏡検査されたが異常は認められなかった.経口摂取が不能となり精査加療目的で当院へ紹介入院となった.経過を通じて,悪寒・発熱・寝汗,咳・胸痛・呼吸苦,頭痛・複視・鼻症状,眩暈・耳鳴・難聴,顔面のしびれ・味覚障害はなかった.
既往歴:十数年来の糖尿病〔HbA1c(JDS値)6.0%前後〕,脂質異常症,気管支喘息(最終発作2年前).
内服薬:ミグリトール,ロスバスタチン,フルチカゾン吸入.
生活歴:事務職員,機会飲酒,喫煙なし.
家族歴:父に高血圧症・糖尿病あり,結核や自己免疫疾患の家族歴なし.
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