連載 産婦人科クリニカルテクニック
ワンポイントレッスン—私のノウハウ
Sonohysterographyの手技上のバリエーションについて
佐藤 賢一郎
1
1新日鐵室蘭総合病院産婦人科
pp.1531
発行日 1998年12月10日
Published Date 1998/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903488
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sonohysterographyは経腟超音波法施行時に子宮腔内に液体を注入し,それによって形成されるfree spaceをコントラストとして観察する方法である.近年,本邦においても子宮腔内病変の検出,診断における有用性についての報告が散見されてきている.しかし,その手技は決して確立されているとは言い難く,頸管よりの液漏れが多く観察不十分となる場合や,外陰・腟腔が狭いため施行困難な症例などに遭遇する場合がある.それぞれが工夫を凝らし施行しているものと思われるが,今回,日常筆者が行っているsonohystero—graphyの手技における若干のバリエーションについて以下に述べる.
1)検査の時期としては,月経終了後なるべく早期(筆者は3〜5日以内としている),体癌が判明している症例では手術前日としている(念のため腹腔内への癌細胞の播種の可能性を勘案して).通常の手技としては,クスコ挿入,腟内ポピドンヨード消毒の後,子宮腔内に子宮卵管造影用または小児用バルーンカテーテルを挿入,クスコ内より経腟超音波プローブを挿入し,生食水を注入しながら観察を行う.この際,バルーンを膨らませると病変部位の観察の妨げになる場合があるので,通常はバルーンを膨らませずに観察している.また,生食の注入は助手が行うが,あまり急速に注入すると水圧でカテーテルが抜けてくるのでその点にも注意が必要である.
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